駅弁の想い出 鳥栖駅①
鹿児島線、長崎線、久大線、筑豊線の接続駅・分岐駅である鳥栖駅。昭和時代、九州の鉄道のジャンクションとして国鉄の街として大いに栄えていました。鳥栖機関区や客車区、貨車ヤードなどが併設してあり、引き込み線の数も驚くほどたくさんありました。
長崎線から鳥栖に近づくとまず、お座敷列車や茶色の旧型の客車の基地が右手に見えます。そしてその次は扇形車庫の鳥栖機関区があり、さらに先には貨車ヤードを望むことができました。
駅のホームは3つ、1番線から6番線までありました。「駅名標」にはひらがなと漢字、ローマ字で表記したもので、シンプルなものでした。各ホームには売店と立ち食いうどんそばのスタンドがありました。鳥栖駅舎内の売店、kioskの横に「そば・うどん」のコーナーがあり、カウンター席がありました。一番おいしかったのは、今はなき「えび天そば」でした。それは今のそれと違うえびのかき揚ソバです。とてもおいしかった記憶があります。
幕ノ内弁当昭和49年3月300円
駅弁の種類も豊富で、「かしわめし」「鳥ちらしずし」「ますずし」「助六寿司」「しめじめし」「焼売」がありました。
鳥栖駅は「かしわめし」の元祖です。大正2年、販売を開始しました。それに続き、近郊の急行が止まる駅で次々と販売されたようです。
かしわめし 昭和49年4月 300円
鶏スープで炊いた御飯に、かしわ肉、錦糸卵、刻み海苔が載せられとてもおいしかった記憶があります。今でも健在!!
今では折尾駅のかしわめしにに目を奪われていますが、味の実力は中央軒だと思うのは私だけではないでしょう。未来永劫この駅弁を維持していただきたいものです。
最近では、どの駅でもホームにkioskの売店や駅弁販売など、見かけられなくなりました。しかし鳥栖駅では、今でも駅ホーム内に店を構え、駅弁を販売しています。そしてそばスタンドも元気に健在です。
国鉄時代を彷彿させるこの雰囲気はずっと大切に続けていただきたいのもですね。
次回に続く